「平成 16年福岡市福祉のまちづくり推進大会」において、ひだまりの会は福岡市社会福祉協議会より「ボランティア等功労者」として表彰されました。
応援してくださった皆様のお陰です。ありがとうございます。

メニュー
 HOME
 ひだまりの会について
 なぜ法人化しないのか?
 子どもが育つまちづくり提案
 メディアと子ども(緊急レポ)
 おすすめの著書
 これから活動する方へ
 現在、活動中の方へ
 子育てコラム
  ※旧ひだまり通信
  2001年版2002年版

城南区子どもプラザ
平成16年度より福岡市の委託を受け、「城南区子どもプラザ」の運営を行っています。最新の活動内容は、プラザのHPをご覧ください。
●委託を受けるまでの経緯(PDF版)←右クリックし「対象をファイルに保存」からPDFファイルを保存してください。


子育てコラム ※旧ひだまり通信2002年版へはコチラ
●子育てコラム ※旧ひだまり通信(2001年版)
子育てコラム(旧ひだまり通信)は、サロンでスタッフをするしーちゃんが、親や子どもたちの声を多くの人に届けようと毎月書いたものです。子育て中の方にぜひ読んでいただきたいコラムです!

 ■目次

  1 「ぼくたちどこにいっても怒られるんだよ」
  2 「0123吉祥寺 東京都武蔵野市」
  3 「どこにおもちゃがあるの?」
  4 「ベビーカーと冒険遊び場全国集会」
  5 「育児だって仕事」
  6 「初めから親だった人なんかいない」
  7 「子どもはどこ?」
  8 「子どもは迷惑をかけながら育つ」
  9 「わたしたちにも できちゃった」
 10 「この道 あの道 誰のもの?」
 11 「自分の子どもだけ幸せになれるという幻想」
 12 「水族館でもイルカはかわいい」
 13 「遊ばなくちゃ 人になれない」
 14 「子育てには 正解がない」
 15 「つながれば、みんな自由になれる」
 16 「保育園や幼稚園ではともだちができる」

1.ぼくたちどこにいっても怒られるんだよ

子どもが小学校5年生の頃、いつものように「外で遊んでおいでよ」と声をかけました。

すると息子は、「お母さん、ぼくたちどこへ行っても怒られるとよ。駐車場で遊ぶとおじさんがどなるし、公園で あばれたら赤ちゃんのお母さん達がいやあな顔をするし、学校で野球しよったら、クラブチームの人たちが後からきたのにのけっていうし、ぼくたちどこで遊んだらいいとよ。」

「家の中で遊ぶ方が怒られんけんいい!」

息子のすごい反撃に言葉につまってしまいました。

そう、私は息子の年齢の頃には、山で基地をつくったり道ばたでゴムとびをしたり、遊ぶ場所はやまほどありました。

でも息子達には地域に居場所はないのです。

小さな子どもを育てるお母さん達も大変です。家から子どもが飛び出すとすぐに道路と車。子どもを遊ばせるためにわざわざ公園まで付いていって子どもの遊びにつきあわないと いけないのです。

現代は「放っておいて子は育つ」時代ではなくなりました。 一生懸命自分で責任を持って子どもを育てようとする母親たちを「暇でいいわね」と誤解する人もいます。


地域の中に子どもの居場所を取り戻したい、そんな思いで「地域ぐるみの子育てをすすめるひだまりの会」をはじめました。


何ができるのか手探り状態だけれどみんなの知恵を合わせてそこここにひだまりをつくっていきたい、 そんな思いで、いっぱいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.0123吉祥寺見学 東京・武蔵野市

文庫のある子育て支援公園が作りたいというのが私の夢。

その夢をひげりんに話したところ、「それならやっているところがあるよ」と一言。 それが「0123吉祥寺」でした。

「行政の方ならともかく、市民がこのような施設を作るのは難しいですよ」と言われながらも「そこをどーかひとつ」と見学をお願いしました。

0123吉祥寺は子どもを連れて誰もがいつでも遊びに行けるという武蔵野市の子育て支援施設です。少し大きな一軒家といった感じで木々に囲まれた庭と砂場があります。 室内は木製の遊具と手作りの遊具が中心です。 よく見かける色画用紙で飾られた、ちいちいぱっぱの幼児施設とは違い、子どもを一人の人間として尊重するヨーロッパの幼児施設の雰囲気がありました。
家庭には置けない大きな木製積み木や、1杯30円で飲めるコーヒーコーナーもあります。

特に感心したのは遊具でした。

福岡で木製の遊具を使っているのは、ほんの一部の幼稚園保育園でしかありません。 公共の施設で、このような素晴らしい遊具があるのは、行政のなかに幼児教育への理解があるからでしょう。

見学に行って感じたのは、まず”人”が重要だということでした。

そしてもちろん、福岡にもこんな場をつくりたい!と思いました。

同じ思いを抱いていたみんなとの出会いがあり、公民館や集会所で交流サロンを始めました。
子どもと二人っきりで疲れたとき、イライラがたまったときにそこに行けば誰かがいる、そんな場をつくりたいと思っています。
































3.どこにおもちゃがあるの?

私はおもちゃ屋と本屋が大好き。 子どもはもう高校生だというのに、天神に行くとひとりでおもちゃ屋に入ります。

でもおもちゃ屋に行くと「どこにおもちゃがあるの!」と毎回ぷんぷん怒って出てきます。 保育園で保母をしていたときの悩みもおもちゃを探すことでした。

乳幼児にぴったりの、手や頭をうんと使えて想像力を育むおもちゃがどこにも売っていないのです。

ですからいつも手作り。

真夜中に疲れた体にむち打って縫い物をするのはまるで「母さんがよなべーをしてー♪」の世界。 「どうして、おもちゃ屋におもちゃがないのよ!」っていうのはその頃から続いているんです。

子どもたちは大人の金儲けの対象。

次から次に新しいおもちゃを買い与えることが、子どもをどんなに悪くするか、大人は知っているのに、 おもちゃメーカーはどんどん新製品を発売し、コマーシャルを繰り返します。 その被害者は子どもと親、お金を払って子どもの想像力をなくしているなんてくやしすぎます。

私たちは、コマーシャルにだまされない賢い親になっていきたい。 そのためには本物のおもちゃを見るのが一番。

幸いにも福岡市内にもヨーロッパの遊具を売る良心的なおもちゃ屋さんがでてきました。
長く使えて想像力を引き出す本物のおもちゃたちをこれからも探したいと思います。






























4.ベビーカーと全国集会


去年「冒険遊び場全国集会」へ参加しました。

冒険遊び場とは、プレーリーダーがいて、穴を掘っても火を焚いても何をして遊んでもいいという 近所の公園です。

全国集会は、文部省とIPA(子どもの遊ぶ権利のための国際協会)の共催で、国立オリンピック センターでありました。

受付には、ベビーカーがいっぱい!?

受付の女性は子ども連れのお母さん達でした。資料や本の販売をしているのもお母さんです。その日は講演会のあと、夜遅くまで全国の遊び場活動について、ああでもないこうでもない、 と飲みながら議論が飛び交いました。

そして10時を過ぎる頃、 「さあ電車がなくなるから帰ろう。」 と東京のお母さん軍団は立ち上がりました。「明日は8時に集合ね。」

な、な、何なんだ、このパワーは!!


そして翌日。

分科会の進行役を務めるのもまたお母さん。スライドを動かすのも活動報告をするのもお母さん。もうびっくりの連続でした。子どもがいても、こんなにできるんだ。と目からうろこ落ちた気がしました。

IPAの日本代表の奥田陸子さんも、「もとは自分の子どもかわいさに活動を始めました。」 といいます。 子どもと共に生活し、子どもの視点でまわりを見るようになると、おかしな部分が目につき始めます。生協の運動も、政治運動も、遊び場活動も、そんな気持から始まっているのではないでしょうか。

東京の女性たちにできて、私たちにできないはずはない。もし私たちに足りないものがあるとすれば、それは経験と自信ではないかと思いました。自分を信じれば、きっと私たちだって何かがやれるはずです。








































5.育児だって仕事!

最近の、女性も会社で働くことが自己実現のような風潮、気になりませんか。

外で働くのが当たり前みたいに言われていますが、家で働くのだって仕事です。専業主婦と兼業主婦のどちらが上とか下とかないはずです。人生の中で何を大切にしたいか、人の価値観は人それぞれ。仕事で自己実現したいと考える人もあれば、育児や家事の中で十分自己実現をしていける人だっています。 豊かさは「わずか、かすかの中にある」といった人がいましたが、単調な 日常の中で喜びを見つけだせる人って、とても豊かな人だと思います。

子どもは草花や土と友だち。子どもとつきあうと人間らしさが自分によみがえってきます。環境汚染が深刻化しているのに、いつまでも経済成長もないでしょう。化粧品も洋服も節約して、つつましく生活している自分にエコマークをつけてあげたい!

保育園の3歳未満児には、一人300万円近くの公費が投入されているとか。家で子どもを育てている人が、ばかにされる理由なんて何にもありません。乳幼児は手をかけ、心をかけられて成長するものです。

自分の子どもを自分で育てるという決断に自信をもちましょう。堂々と公園で遊びましょう!

私たちはエールを送り続けます。

6.初めから親だった人なんかいない

7月に北九州で、日本初の子育てコミュニティ施設「0123吉祥寺」の森下先生の講演会がありました。その中で印象に残った話を少し。

子どもはお母さんの力だけでは育っていかないものです。子どもは友だちがいて、近所のお兄ちゃんやおじちゃんやおばあちゃんなど、みんなで育ててもらうものです。

親だって、一人で子育てなんかできません。親は、初めから親になっているわけではありません。子どもを持って1年、1年、親として成長していくものです。

昔からみんなずっとそうでした。 昔の人は、みんなの手を借りて子育てをしてきました。自分だけで考えて、一人で子育てをするなんでどだい無理な話です。 そして子育ては考えてやっても思い通りになるものでもない、だから誰かに尋ねたり、まわりの人や仲間が必要です。

でも今は、親も子も仲間と出会えません。

それなのに「たった一人の子を育てられなくてどうするの」、「母親なんだから子育てができて当たり前でしょ」 といわれ、真剣にいっしょうけんめいやろうとすればするほど、どんどん追いつめられていく。

今のお母さんたちは、そんな状況にあると思います。

子育ては一人ではできません。みんなの力を借りてください。人に頼っていいんであって、一人でやろうと思うのが間違いです。 力を借りるのが上手になってください。

そして、もし力が余ったら人にも力を貸してあげてください。

「子育てってけっこう楽しいよ」っていうお母さんが増えてほしいと思います。

森下先生の愛情が胸一杯にひろがって、とっても元気になって帰ってきました。 子どもも大人も、みんな一緒に育ちあっていきましょう。



































7.子どもはどこ?

この間2歳のともちゃんというかわいい子どもさんをお預かりしました。

10時になった頃、「さあ、そろそろ公園でも行こうか?」と団地内の公園へでかけました。一番近くの公園は、すべり台が3つもついていてとっても楽しい公園です。保育園の子どもたちも特に大好きな公園でした。

ともちゃんはさっそくあっちのすべり台、こっちのすべり台と遊びだしました。しばらく遊んでいたけど、だあれも来ません。

お掃除のおばさんに「いつもこの時間は子どもはいないんですか?」と聞くと「みんな幼稚園や保育園にいってるんやろ。午前中はあんまり人はおらんよ。」という返事。

ふと足元を見ると、こけや雑草がいっぱいです。 (あれー2年前に保育園の子どもたちを連れてきてた頃にはこんなに草は生えてなかったけどなあ。やっぱり子どもは少なくなってるのかなあ。)

ふと寂しくなって、「ともちゃん、向こうの公園だったらお友達がいるかもしれないから行ってみようか」と他の公園へ歩き出しました。

次の公園も、その次の公園も誰もいません。

歩いていると、あちこちの団地の部屋の中から小さな子どもの声が聞こえます。(みんな家の中で何をして遊んでいるのかなあ)近所に友だちがいないという話や、公園に人がいないという声をよく聞いてはいましたが、改めて今のお母さんや子どもが友だちと出会えない状況を知った気がしました。

この町の中に、人と人とが、いつも出会えるような、そんなしかけが作れないものでしょうか。

8.子どもは迷惑をかけながら育つ

私は子どもを産むのが早かったので、まわりから見るとずいぶん、頼りない母親だったと思います。小さな子を連れて歩くと、なぜかどこでも人に話しかけられました。

買い物に行くと「まあ靴下もはかせないで、寒いでしょうにかわいそうに」とか、「若いママね」と知らない方に、よく声をかけられました。

時には(あー、もううるさい。)と思うこともしばしば。

でもバスの中で席を譲ってもらったり、親切にされたときには、見知らぬ人の思いやりの気持が とてもうれしく、みんなに育ててもらってるんだなあと感謝の気持でいっぱいになりました。

初めての育児はほんとに見よう見まね。 私は、たくさんのことを近所の友人や先輩方に教えてもらいました。

その中でも私の育児をささえてくれた言葉があります。

「人に迷惑をかけないようにとか言うやろ。でも子どもは人に迷惑をかけながら育つものよ。迷惑をかけんで、子どもを育てるとか絶対無理よ。人に迷惑をかけて申し訳ないなんて思わんでもいいと。迷惑をかけた分は、自分の子が大きくなったとき、また他の人にしてあげればいいんよ。みんな順ぐりなんやから。」それを聞いたとき、ほっと肩の荷が降りた気がしました。

そうなんだ。人に迷惑をかけることがあってもいいんだ・・・。実際、息子は大勢の人の手を借りて育ってきました。

「みんなの手を借りて育つ」それが当たり前の子育てなのです。

9.わたしたちにもできちゃった

11月12日、子育てトーク「子育てしやすい町ってどんな町?」を開きました。

一月ほど前から、堤サロンと春日サロンの合同実行委員会をつくり、準備をすすめてきました。当日の受付は、サロン古株の石橋さん、井上さん、木村さん。司会は春日サロンの笠さん、アンケート報告は堤サロンの堤さんです。スタッフもみんなどきどきしながらこの日を迎えました。

冒険遊び場と、子育てコミュニティ施設、ヨーロッパのコミュニティ道路のスライドを見た後、春日サロンの阿部さん(彼女はお菓子づくりの先生なんです。)手作りのクッキーをつまみながら、グループディスカッション。

私の参加したグループでは、「子どもがいない」、「どこに行ってもさわってはだめ、あぶないと言い続けで疲れる」等、みんな同じ状況なんだと実感しました。

あっという間の2時間。

参加者の皆さんに最後に書いてもらったポストイットにはとても貴重な意見が書かれていました。

集まったアンケートも124枚。たくさんのお母さんたちの真剣な声が手元に残りました。これから、この声を報告書にまとめていきたいと思います。

子どもたちが元気に育つ町にむかって、小さな小さな初めの一歩を、みんなで手をつないで踏み出せたという気がしています。

本当に遠くから参加いただいた皆さん、アンケートを書いてくださった皆さん、ありがとうございました。 また報告書づくりへの、皆さんの参加もお待ちしてます。

10.この道 あの道 誰のもの?

トークイベント「子育てしやすい町ってどんな町?」の中で反響が大きかったものの一つに、オランダのボンネルフ(生活の庭)のスライドがありました。

オランダでは道路交通法を改正し、住宅付近の道路を、車のための道路から「生活者のための庭」への転換をはかっています。子どもたちの遊び道具入れが道路に置いてあったり、テーブルや卓球台が置いてある場所もあります。子どもたちが遊べるように車を進入禁止にしたり、行き止まりをつくったり、車の進入を減らす為にわざとくねくね道にしているという話のときには会場から「へーっ」と声が聞こえました。

その後のトークでは
「そういえば私たちが子どものときは道路で遊んでたよね」
「なんか家の前とかにおばあちゃんとかよく座ってなかった?」
「うちの母親なんか家で内職してたよ。わたしなんかほったらかし」
「うちも」と昔話に花が咲きました。

「でも今は道路なんかで遊べないよね」
「道を歩いてていつも『危ない』だの『だめ』だの言い続けで、自分がオニババアに思える」という発言に

「ほんとねー」と共感の声があがりました。

私たちはいつの間にか、道路は車のためのもの、道は危なくて当たり前、と思いこんでしまっていたのかもしれません。 危ないからという理由で、子どもたちは公園や、児童館に囲い込まれています。

でも本当は町のどこでも子どもたちの遊び場であるのが、本来の姿なのかもしれません。

11.自分の子どもだけ幸せになれるという幻想

「子育てしやすい町ってどんな町?」の報告書のことで話が聞きたいとT氏から電話がありました。

T氏は情報誌の編集長。さまざまなグループを見てきた経験から、私たちの活動に期待をよせ、アドバイスを下さいました。

その中でとても印象に残ったのは
「親たちは自分の子どもだけ幸せになれるという幻想を抱いている。」というお話でした。

「自分の子どもだけが幸せになるなんて、ありえないことだ。子どもも私たちもこの社会のなかで生きている。自分の子どもが幸せになるには、まわりの子どもたちも、環境も良くならないといけない。それを自分の子だけなんとかと思う人が、まだいるんだよなあ。」 と彼はつぶやきました。
 
幻想!その通りではないでしょうか。

自分の子どもだけいい環境で育てたいとか、自分の子どもだけいい教育をうけさせたいというのはまさに幻想といえるでしょう。

自分の子どもがかわいければ、自然に社会に目が向かっていきます。ノーベル平和賞を受賞したICBL(地雷禁止国際キャンペーン)のジョディ・ウイリアムズさんは、
「私たちこそが未来なのです。いま行動を起こさなければ未来はありません。私たちは自分自身と未来に責任を持っており、そしていま、行動を起こすことだけが変化をもたらすのです。」と述べています。

私たちもできることをできるだけ行動したいと思っています。それは荷物運びだったり、チラシ張りだったりするのですが、何か自分にやれていることが、とてもうれしいのです。

12.水族館でもイルカはかわいい

先日家族と水族館でイルカをみました。

2頭のイルカはじゃれあって泳いでいました。でも私は悲しくなってしまいました。イルカの水槽はコンクリートの水色の真四角の部屋でした。イルカはとても好奇心が強く賢い動物だといいます。

「ごめんね。こんなところに閉じこめて。もし海なら石も砂も波も魚もいるのにね。私がこんな所に閉じこめられたらきっとノイローゼになるわ。」

「かわいいー!」
とまわりから声があがりました。

確かにイルカは何もないところでも元気に泳いでいるように見えます。でも海のイルカを知っている人は決して「元気に泳いでいる」なんて言わないでしょう。

そのとき思い浮かんだのが以前見たある託児室の子どもたちでした。日の当たらないおもちゃも何もない四角い部屋で子どもたちは走り回っていました。

そのとき
「外でも遊びたいよね。手や頭も使いたいよね」と話しかけたくなりました。

「何もなくても子どもたちはよく遊んでいます。」という人もいます。

でもいきいきとはほど遠い子どもの姿や表情に気づかない大人の鈍感さに悲しみさえ覚えます。

最近では駅型保育や施設内保育の導入により、太陽の光をあびることなく過ごす子どもたちもでてきました。狭い部屋に大勢の子どもを入れているという点では、イルカの水槽よりももっとひどい環境かもしれません。

どんなに環境が悪くても、子どもは精一杯成長しようとします。その健気さに、私たち大人は甘え過ぎではないでしょうか。

子どもを人間らしい環境で育てようという努力を、捨ててはいけないと思います。

13.遊ばなくちゃ 人になれない

保育園に入ったとき、先輩の先生にいつもいわれたことが、
「子どもが遊んでいるときには、いらんことを言わない。いらんことをしない。」 でした。
 
そのうえ
「子どもをよく見て、ぴったりの言葉をつけてあげるとか、遊びが広がる遊具をそばにもってくるとか、大人の援助がとても大切です。」と言うのです。

新米の私は赤ちゃんたちを前にいったい何をすればいいのか、ちんぷんかんぷんでした。大声を出したり、部屋のなかを小走りすると「遊びのじゃまをしていますよ。」と注意をうけました。

なぜそれほど子どもの遊びを大切にしたのでしょう?

それは赤ちゃんは遊ばないと人になれないからだ!ってわかったのは、ずいぶん後のことでした。赤ちゃんが自らの手を使って物をつかみ、なめてみたり、たたいてみたり、ひっくり返してみたり。大人から見るとくだらないような、そんな遊びを繰り返し、子どもは自分を取り囲む世界に気づき、体と心とつくりあげ、考える力を身につけていきます。

以前は「放っておいても子は育つ」で、どの子も自然に遊ぶことができました。でも最近では放っておくと赤ちゃんからビデオにくぎづけ。手や体をつかって遊ぶためには、おもちゃを工夫したり、公園などに連れていくことが必要な時代になりました。

大人はついつい子どもに遊びを与えがち。でも子どもは遊びを与えられることより、遊びをつくりだす方が大好き。どんなおもちゃだったら、子どもは遊びをつくりだせるか?

サロンのおもちゃが、家でのおもちゃ選びのヒントになればいいなあと思います。

14.子育てには 正解がない

「保育園にいたから子どものことがよくわかるでしょ」と言われることがあります。

と.と..とんでもない。

たとえ60年保母をやったとしても、やっぱり今と同じように、迷ったり悩んだりしているだろうなあと思います。

子育てには正解はないし、子どもは一人ひとり違うし、きのうはうまくいったけど今日はだめなんてことは、しょっちゅうで、いつも「どうしよう?」と迷い続けです。

結局迷ったとき、一番頼れるのは自分の直感。

子どもをよーく見て「何がしたいのかな?」、「何と言いたいのかな?」と子どもの気持ちになって考えることが一番だなあって思います。

子どもの本当の専門家は、何と言っても、その子どものお母さん。

毎日自分の時間を費やして、手をかけ、心をかけているから、その子どもをまるごと見ることができます。

専門家と呼ばれる人はある分野での専門家でしかありません。本や講演ではより多くの人に当てはまることを書いたり話すのが仕事です。

「これはうちの子にぴったり」、「うちの子には向かないわ」と判断するのは子どもを一番よく知っている親の仕事。

答えは私たちの外側ではなく自分自身のなかにあるのです。

子育てという仕事には、選択の自由があります。どれを選ぶかも、何をするかも全部自分で決められます。自分らしく主体的に生きたいと思う人には、これほどおもしろくて魅力的な仕事はないと思います。会社で仕事をしたら不自由だらけですもんね。

主体的な仕事「子育て」を、今うんと楽しんじゃいましょう。

15.つながれば、みんな自由になれる

私たちのことを「すごいですね」とほめて下さる方がいます。でも私たちみんな普通の人なんです。

私だってただの子ども好き。それがなぜこんなことを始めてしまったのか?

それは仲間と出会ったからなんです。

保母をしていた頃から子育て支援公園をつくりたいなあとずっと思っていました。でも一人で考えているときには、ただの遠い夢でしかありませんでした。すてきな仲間たちとの出会いがあって、はじめて夢が一歩実現に近づいたのです。ひとりでは無理だと思うことも、みんなでやるとなんとか実現してしまいます。

自分のことをよく知ってくれる人や、認めてくれる人がいると、元気がわいてきます。いざというときに頼れる人がいると、思い切って一歩を踏み出すことができるようになります。人は、人とつながることによって、より主体的になり、自由になれる、とっても不思議な生き物だと思います。

人を主体的にするキーワードは、 「仲間がいる」ということの他に「場がある」「情報がある」「選択や行動の自由がある」

そんなものではないでしょうか。 ・・・それらと出会える場として、子育て交流サロンを利用してもらえたらと思います。

親だって、誰もが素晴らしい力を秘めています。そしてそれを発揮するのはまだまだこれから。親も子も、あなたも私も、すてきな人生をつくっていきましょうね。

16.保育園や幼稚園ではともだちができる

保育園の入所待ちを減らすために、福岡市でも昨年から各保育園が定員を超えて入園できることに なりました。

例えば150名定員の園でも160名、170名の入園が可能なのです。

そのため、子どもたちが狭い部屋で過ごし、保育者の負担は重くなっていると聞きます。保母をしていた頃に、とても気になる入園理由がありました。

「子どもとふたりっきりで家にいるとノイローゼになりそうだから」 とか「子どもが、親とふたりっきりではかわいそうだから」 という理由。

「近所にお友達は?」 とたずねると、「誰もいないんです」 という返事。

近所に手伝ってくれる親がいるわけでもなし、公園に行っても人がいない、近所に小さい子どももいないでは、(こんな環境じゃ育てられない)という気持になって当然だと思います。

私が子育てをしていた15年ほど前には、公園に人がたくさんいて、自分の気のあう人とグループを作っていました。 また、おばあちゃんたちがよくベンチに座っていました。見えないところに子どもが行っても、たくさん人が座っているから安心して遊ばせることができました。

みんないったい、どこへ消えちゃったんでしょう。

もし、地域にいつでも誰でもが自由に利用できる、子育てコミュニティ施設があったら、保育園への入園希望者は減るのではないでしょうか。

あのいたれりつくせりの「0123吉祥寺」でも、運営費は一保育園の3分の1しか、かかっていないそうです。

大きなセンターよりも、子連れでも気軽に行ける、地域の小さなコミュニティ施設がたくさんほしいと思います。

子育てコラム ※旧ひだまり通信2002年版へはコチラ

 
Copyright (C) 2005 All Rights Reserved 地域ぐるみの子育てをすすめるひだまりの会